YAMAHAの名機と言われたNS10Mと愛機のHS8
今日は、少し違った視点で語ってみましょう。
私は音楽愛好者でありますが、ちょっとした音質マニアみたいなところもあります。
現在、私はヤマハのHSシリーズHS8とマッキーのPRO FX4V2ミキサーを使用しています。これらの機器で、音楽だけでなく地上波番組や映画の音声も楽しんでおります。
特にHS8スピーカーは、私がロックにのめり込むきっかけとなったX JapanのYOSHIKIさんが現在でもレコーディングに使用しているNS-10M(通称テンモ二)の後継モデルとして知られています。
本記事では、私のエピソードを交えながらHS8スピーカーの魅力についてご紹介します。
まずはNS10Mについて詳しく見ていきましょう。
↑こちらがNS-10M(テンモニ)と呼ばれるスピーカーです。
音楽制作や録音において、正確なモニタースピーカーは重要な役割を果たします。その中でもYAMAHAのNS10Mは、数十年にわたってプロフェッショナルなオーディオエンジニアやミュージシャンたちに愛され続けてきた伝説的なスピーカーです。
YAMAHAのNS10Mは、1970年代後半に初めて登場しました。当初は一般的なホームスピーカーとして販売されていましたが、意外なことにスタジオ環境でのモニタースピーカーとしての能力が注目されるようになりました。その特徴的なサウンドと信頼性が、NS10Mをスタジオモニターとして広く認知されるきっかけとなりました。
NS10Mの最も注目すべき特徴は、フラットな周波数応答ではなく、独特なトーンバランスです。その中でも中低音域がやや弱く、ミッドレンジが強調されたサウンドが特徴的です。この特性により、NS10Mは録音された音源の問題やミックスの欠陥を正確に反映し、エンジニアにとって貴重なリファレンスとなることができました。
NS10Mは、その正確な再現性とミックスの信頼性により、数々のヒット曲や名盤の制作に関与してきました。多くの有名なエンジニアやプロデューサーが、NS10Mを彼らのスタジオのスタンダードモニターとして採用しています。その普遍性は、さまざまなジャンルの音楽制作においても高い評価を受け続けています。
また、その特異なサウンドと共に、音楽制作の世界に多大な影響を与えました。多くのプロフェッショナルなエンジニアたちが、NS10Mのサウンドに慣れ親しんでいるため、彼らのミックスがNS10Mに最適化されることがあります。
NS10Mの成功に刺激を受け、他のメーカーも類似のスピーカーを開発しましたが、NS10Mの地位を脅かすものはほとんどありませんでした。
しかし、テンモニは2011年にYAMAHAによって正式に廃盤となりました。廃盤になった理由はいくつかあります。
コンポーネントの入手性の問題:
NS10Mは、その特殊なサウンド特性を実現するために特定のコンポーネントが使用されていました。しかし、これらのコンポーネントの入手性が次第に困難になりました。メーカーが必要なパーツを確保することが難しくなったため、生産を続けることが難しくなったと考えられます。
需要の変化:
NS10Mのサウンド特性は一部のエンジニアやプロデューサーには非常に人気がありましたが、一方で好みが分かれるスピーカーでもありました。音楽制作のトレンドや好みは時間とともに変化し、よりフラットでニュートラルなモニタースピーカーが求められるようになったため、NS10Mの需要が減少したと考えられます。
技術の進歩:
NS10Mが登場した当時は、スタジオモニタースピーカーとしての性能や信頼性が高く評価されました。しかし、時代の進歩とともに、より高性能で正確なモニタースピーカーが開発されました。新しいテクノロジーや素材の使用により、より広い周波数範囲やより正確な再生が可能なスピーカーが市場に登場しました。
これらの理由により、YAMAHAはNS10Mの生産を終了し、廃盤となりました。しかし、NS10Mの名声と人気は今もなお根強く、中古市場でも未だに高い評価を受けています。
そしてその後継機として登場したのがこのHSシリーズです。
当時、昔に流行ったいわゆるコンポと言われるのを約20年使っていましたが、故障した際、部品が入手困難で修理できないことが判明しました。
そこで新たな音響機器を探す旅が始まります。
予算を決めて島村楽器梅田LOFT店に通い、2ヶ月かけてさまざまな機種を試聴しました。
当時、私が最後まで悩んだのはフォーカルのシェイプ65というモデルでした。そのサウンドのクオリティやデザインに心惹かれましたが、値段が左右ペアで約17万円…
完全に予算オーバーでした。
この横のドームが心地良い低音を広げてくれるんですよね~
今ではさらに価格が上がっているようです。
泣く泣く諦める事にした私はペアで約7万円ほどの価格帯で購入できるHSシリーズの最高峰、HS8にきめました。
HS8はそのコストパフォーマンスの高さから、多くの音楽制作愛好家やプロフェッショナルに支持されています。その良さの一つに、クリアでバランスの取れた音質があります。低音域から高音域まで幅広い周波数帯域を正確に再現するため、音楽を細部まで聴き取ることができます。
また、HS8はスタジオモニターとしての性能に優れています。ミックスやマスタリング作業において、正確な音像再現とモニタリングの信頼性が求められますが、HS8はその要求にしっかり応えてくれます。
さらに、HS8は頑丈な作りであり、耐久性も備えています。長期間の使用においても安心して利用することができます。
現在はマンション生活の為、このHS8のポテンシャルをフルに引き出すことはできませんが、小さいボリュームでも良い音を奏でてくれ、大変気に入っております。
さすが日本の楽器メーカー。
恐れ入ります。
そしてちなみにこちら↓
Yamaha AVANTONE CLA10
このYamaha AVANTONE CLA10は、スタジオモニタースピーカーの1つで、YamahaとAvantone Proの共同開発による製品です。これは、クリス・ロード・アルジェ(Chris Lord-Alge)という有名なミキシングエンジニアが監修したもので、彼が愛用しているモニタースピーカーのサウンドを再現することを目指しているそうです。
AVANTONE CLA10は、Auratone 5Cというクラシックなスタジオモニタースピーカーをベースに開発された製品だそうで、これめちゃくちゃ気になっております。
以上、今回は私が少し拘って使用しているHS8と迷った挙句に諦める事になったFOCAL Shapeシリーズ、そしてとても気になっているAVANTONE CLA10のご紹介でした。
最後までのお付き合いありがとうございました。